2025/07/21

Taiwan Today

経済

2022年度第3回BERI「投資環境リスク評価」、中国軍事演習の影響受け台湾の評価下がる

2023/01/17
米国のビジネス環境リスク評価会社(BERI)の2022年度第3回「投資環境リスク評価レポート」が発表された。台湾の投資環境評定は世界14位と順位を大きく下げた。台湾周辺での中国による軍事演習が地政学的リスクとみなされた。(外交部)
米国のビジネス環境リスク評価会社(Business Environment Risk Intelligence、略称BERI)が発表する2022年度第3回「投資環境リスク評価レポート」の内容が明らかになった。今回調査における台湾の投資環境評定(Profit Opportunity Recommendation、POR)は53ポイント(前回調査の評価は58ポイント)で、評価の対象となった世界の主な50カ国の中では、スイス、ノルウェー、カナダ、デンマーク、中国、オランダ、オーストラリア、韓国、フィンランド、シンガポール、オーストリア、インドネシア、ドイツに次ぐ14位(順位が高いほどリスクが小さいことを意味する)だった。前回調査の6位から大きく順位を落とした。
 
経済部(日本の経済産業省に相当)によると、BERIは年に3回、「事業運営リスク」、「政治リスク」、「為替リスク」の3大指標を用い、多国籍企業の視点から、企業が各国・地域で投資を行った場合のリターンを予想することで、それぞれの投資環境の優劣を判断している。今回の調査で台湾は、「事業運営リスク」世界5位、「為替リスク」世界3位(いずれもアジアでは1位)と高い評価を得たが、「政治リスク」が世界42位と順位を大きく下げた。これは台湾周辺で中国による軍事演習が行われるなど地政学的リスクが懸念されたため。これにより、全体的な投資評価も前回の6位から8位下げ、14位となった。しかし経済部は、この評価は短期的要素の影響を受けた結果であり、半導体大手の台湾積体電路製造(TSMC)や関連のサプライチェーンなど重要な産業が投資や工場拡大など具体的行動によって台湾の投資環境を評価していることから、短期的な政治的要素は決して国内外企業の対台湾投資意欲に影響を与えていないと指摘している。
 
今回の調査による台湾の評価は以下のとおり。
 
■事業運営リスク:世界5位、アジア1
台湾の「事業運営リスク」は59ポイントで世界5位。前回調査では62ポイント、世界3位だった。世界1位は米国(66ポイント)、2位はオーストラリア(64ポイント)、3位はカナダとスイス(61ポイント)。台湾は、ベトナム及びインドネシアと並ぶ5位だった。韓国(8位、58ポイント)、中国(17位、49ポイント)、シンガポール(20位、47ポイント)、日本(31位、43ポイント)など、その他のアジア諸国を上回る評価だった。
 
■政治リスク:世界42位、アジア10
台湾の「政治リスク」は世界42位、34ポイントだった。前回調査の世界2位、76ポイントから大きく順位を下げた。アジアでは10位だった。
 
■為替リスク:世界3位、アジア1
台湾の「為替リスク」は世界3位、73ポイントだった。前回調査の2位、76ポイントより順位を1つ下げたものの、アジア諸国と比べると韓国(世界8位、66ポイント)、中国(世界10位、65ポイント)、シンガポール(世界11位、64ポイント)、日本(世界17位、58ポイント)を上回る評価だった。
 

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